認知症の基礎知識です。認知症についていろいろな情報を集めています。

認知症 ケア

認知症の介護について

認知症になると、だんだんと生活に支障がでてくるため、症状が進行するにつれて周りの人による介護ケアが必要になってきます。

この介護ケアは、非常に辛く厳しいものです。
一人で抱え込んでしまうとうまくいかないので、少しでも多くの人が支え合って役割を分担して行くことが重要です。
長い期間必要になってくるものなので、一人一人に大きな負担がかからないように工夫していきましょう。

ただし、介護をしていくうえでは中心となる人物を決めるほうが望ましいといえます。
中心となる人物=キーパーソンには、医師や介護支援専門員(ケアマネージャー)などと協力して介護に取り組んで貰います。
医療関係者の窓口となり、また、家族や親戚の意見をとりまとめ、コミュニケーションを図ることに非常に役立ちます。

従来、キーパーソンはこれまで近しい家族の女性が努める例が多かったようです。
しかし、男女参画社会となり、夫や息子など男性が努めることも増えてきました。
いずれにせよ、本来は介護しようとする認知症の人にもっとも身近で、本人から信頼されている人物が責任を担うのがベストといえるでしょう。

また、介護にはお金も必要になってきます。
介護保険をはじめ公的補助金制度など認知症の人をサポートする金銭的な制度も存在します。
まずは、ケアマネージャーに相談してみましょう。


Sponsored Links »

長期にわたる介護

介護は、それをささえる家族にとって、長く厳しい戦いです。
本人にとってもそうなのですが、認知症の患者を抱える家族にとっても、同じくらいの悲しみと辛さがあるのです。

公的な機関の調査では、認知症の平均的な介護年数は6.7年です。
また、10年以上という人も6人に1人程度存在します。
したがって、介護する人たちは初めから長期戦になることを想定して準備を進めるとよいでしょう。

介護にあたる家族や周囲の人間にとってもっとも大事なことは、決して一人で孤立しないようにすることです。
一人で背負うと介護疲れによる弊害で、心の病になる場合もあり大変危険です。
認知症の人に対しては、どんなに一生懸命介護してもそもそもコミュニケーションができないのでお礼の言葉はもらえません。
そうすると、だんだんと鬱憤や疲れがつもって心の負担になってくるのです。

したがって、できれば介護にあたる人は、相談できる友人をもっているべきです。
ちょうど同じような介護の悩みを抱えている人が居ればベストでしょう。
積極的に連絡を取り合うようにしてみましょう。

また、デイサービスを上手に使って、息抜きの時間を作ることも大切です。
普段からストレスを溜めないように注意しましょう。


認知症のケア~観察~

認知症が重くなってくると、患者は小さな子供と同じような状態になってしまうので、危険なことをしないように常に気を遣って目を配っておく必要があります。
しかし、あまりにもべったりとくっついて監視してしまうと患者のプライバシーを侵害したり、自立心を奪ってしまう可能性もあるので注意が必要です。

認知症の人の生活を邪魔しないで、目で確認できる範囲で行動を観察し、安全を確保してあげることを見守りケア(観察ケア)といいます。

見守りケアを続けるにあたっては、患者をケアしている人たちの間での情報交換や協力が大切となります。
認知症患者はなにをするかわからないように見えるかもしれませんが、注意深く見るとある程度の行動パターンがあることがわかります。
それをケアする側で共有しておけば、患者の安全管理にとってだいぶ有利に働きます。
健康状態の問題や認知症の進行具合などを観察していくことも重要です。

周辺症状が現れる時間帯や原因、条件も、この見守りケアから見えてくる場合がほとんどです。
認知症の人は身体の変調や不具合を周りの人に伝えられていない場合も多いので、介護者のほうで先に気づいてあげることがベストです。

簡単に見えるかもしれませんが、なかなか侮れないのがこの観察ケアです。


認知症のケア~コミュニケーション~

認知症患者は、その症状によって友人関係が途絶えがちで社交のチャンスが無くなりがちです。
そのため、介護する人たちとのコミュニケーションが重要になってきます。

認知症患者とのコミュニケーション時には、実際にケアをしていくなかで相手の話を十分に聴きながら精神的な支えにもなることが重要になってきます。
場面場面で、患者がその都度にどうしてほしいのか、何をしたいのかを理解し、認知症の人の感情や行動の意味などを考えながら、ケアをしていく必要があります。

例えば、名前を呼ぶときはどうでしょうか。
もしかしたら、患者さんにとってはもはや名前に反応してくれることはないかもしれません。
しかし、だからといって名前をつかわないのではなく、積極的にその人の名前を呼ぶことによって、気持ちが伝わって回復が見られるかもしれません。
その人がそれまでの人生でずっと大切に使ってきた名前を呼んであげることが、認知症患者とのコミュニケーションの第一歩です。

例えば、患者さんのほうから質問を受けることもあります。
そのようなときは、より親密なコミュニケーションをするときのチャンスです。
認知症患者は理解力が落ちている場合が多いので、ゆっくりとわかりやすく答えてあげることが重要です。
答えが理解できれば、そこからまた新しい会話が生まれ、認知症症状の改善や進行の阻止に役立つのです。


認知症のケア~対応のコツ~

認知症患者とのコミュニケーションは独特のコツが必要になってきます。
うまくいかない場合も多いのですが、それにめげずに出来るだけのことをしてあげましょう。

例えば、患者さんから無理な要求をされた場合は、どうすればいいのでしょうか。
大人としてはアレコレ理由を説明して否定してしまいがちですが、そうなるとなかなか感情のコントロールがうまくいかない場合もあります。
したがって、なにか無理な要求をされても真っ向から否定せず、ますは相手の立場になって同感してあげることが必要です。
「そうですね」「わかります」などと共感する気持ちを表現してあげれば、しばらくすると大人しく言うことを聞いてくれる場合がほとんどですので、落ち着いて対応しましょう。

また、生活のときは可能な限り、一緒になにかをするようにします。
認知症患者と一緒にご飯をつくったり、掃除洗濯ができれば手間も省けて一石二鳥です。
無理をさせることはありませんが、放っておくとそれはまたそれで危険なので、必要なことを可能な限り一緒にやってしまえばよいのです。

このようなさまざまなコツを踏まえて、これからの長い看護生活をできるだけ、無理なく、楽しめるようにしてください。


認知症のケア~気分転換~

認知症患者にも心のケアというものが必要です。
そもそも認知症になってしまうと、今までの生活とは一変してしまったり、好きなことができなかったり、患者自身にもこれからの将来に対する不安がつきものです。
したがって、患者の心は不安定になりがちなので、なにか一つのことに集中できるような気分転換をすることが重要になってきます。

そうはいっても、認知症患者にできることは意外と限られています。
特に高齢者にとっては外でスポーツしたり、山登りなど体力の使うことはなかなかできません。
したがって、ちょっとしたことでもよいので、患者さんの興味や関心に合せて、無理をしないでできることを探っていく必要があるといえます。

たとえば、畑仕事などは高齢者にも向いています。
また、順調に育って収穫できればやりがいに繋がりますし、外に出て自然に触れあうことにもなるので万人向けだといえるでしょう。

身近なことで言えば、おやつの時間をもうけて毎日、さまざまなデザートを与えたりするのもよいでしょう。
とにかく、生活に飽きさせずに手を変え品を変え、明るい気持ちをもてるようにサポートしていくことが重要になってきます。


認知症のケア~環境~

認知症のケアは、集団で臨みましょう。
認知症ケアは1人でできるものではありません。
無理をすると患者さんにとっても不幸な結果をまねくことがありますので、必ず集団であたるようにしてください。

そして、まずは、介護者は自分自身の限界を知ることが大切です。
もし、介護が順調にすすんでいるときでも、急に気持ちが重くなったり、将来を不安に思い抑うつ症状がでるようであれば、しばらく休養をとるようにしてください。
いつ何時でもリタイアする用意は必要です。
そのくらいに介護というのは骨の折れるものだという覚悟が必要不可欠なのです。

自分の限界というものを意識すると同時に、一緒に働くケアチームのメンバーの限界についてもできるだけ気を配りましょう。
急にメンバーが欠けることになったり、なにか事件があってからでは取り返しがつきません。
お互いに相手のことを気遣いながら、介護に臨むことが必要になってきます。

一旦、チームで介護に臨む体制が整ったら、あとは患者の生活環境にできるだけ配慮します。
認知症患者は、見当識障害、視空間認知障害などにより、ちょっとしたことで躓いて怪我をしたりしやすくなっています。
出っ張りを無くしたり、階段に手すりをつけたり(バリアフリー化)、環境に配慮してあげることで介護もしやすくなるので一石二鳥です。


認知症のケア~感情~

認知症患者は認知能力・知的能力に問題が生じているものですが、人間的な感情は最後までもっています。
しかし、そうした人間的な感情も刺激することがなければだんだんと衰えていってしまうのです。
したがって、ケアにあたるときには視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚など、人間のもつあらゆる感覚を刺激することが大切です。
それも、毎日のケアのなかで、自然とそうした刺激が伝わることがベストだといえるでしょう。

たとえば、生活空間のなかに花を飾ることも一つの方法です。
視覚だけでなく、花であれば嗅覚の刺激にもなります。
また、身体を洗うときには全身を丁寧に洗いながらマッサージすれば触覚が刺激されることになります。
音楽鑑賞を薦めることで聴覚を刺激するのもよいでしょう。
こうした日々の積み重ねをするのとしないのでは、患者さんの精神状態に大きな差が生まれてきます。

家族の問題も重要です。
家庭のなかで問題をかかえていると、患者さんの精神状態に悪影響が及びます。
ただでさえ問題解決能力の弱っている患者さんですから、家庭のなかで問題が生じることが多いのです。
家族の一員であればなおさら、第三者の立場ならできる限り、家庭内のトラブルを患者さんの代わりに積極的に解消してあげるようにしましょう。

家族との円満なコミュニケーションがとれている場合は、それだけで精神状態がかなり落ち着く場合も見られます。


認知症のケア~自立~

認知症患者にも、当然ながら人権やプライドが存在しています。
場合によっては、外出が抑制されたり、自由な行動をさまたげる必要がでてくるかもしれませんが、できるかぎり患者さん自身の自立心を阻害しないようにケアしていくことが重要です。

認知症高齢者が直面する人権問題として、「身体拘束」という人権侵害が注目されています。
以前、患者の安全のためと称して、施設などで患者さんの身体を不必要に拘束する例が横行していました。
こうした状況を改善するために、厚生労働省は介護保険施設運営基準のなかで、身体拘束における禁止規定を設けています。
それ以降、施設においても出来る限り、患者さんの身体を拘束しない形で安全な介護に努力していく方針がとられています。

家庭でもできるだけ患者さんの自由を奪うような介護をしないように、心掛けることが重要になってきます。

長く介護をつづけていくと、悪気がなくてもその人を守ろうとする気持ちから、必要のないことまでサポートしたり、安全なのに禁止したりすることが見られがちです。
そうしていくうちに、患者さんが一人で出来ないことや禁止事項が増えていって、自発的になにもできない状態に陥ってしまいがちです。
そのような場合、患者さんの精神状態に悪い影響があるだけでなく、認知症の進行が早くなることがほとんどです。

できるかぎり自立心を奪わない形で、最低限のサポートをしてあげることこそ、最善の介護といえるのです。



Page: 1

TOPPAGE  TOP 
RSS2.0