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ラテックスアレルギー

ラテックスアレルギーとは

天然ゴムにはラテックスと呼ばれる樹液が含まれており、そのラテックスがアレルゲンとなり体にアレルギー反応を起こすラテックスアレルギーというものがあります。ラテックスとはゴムの木を傷つけるとそこから流れる白いミルク状の樹液であり、多くのたんぱく質を含んでいます。但し、ラテックスに含まれる複数のたんぱく質の性質についてはまだ解明されておらず、アレルゲンとなるたんぱく質の特定はされていません。
天然ゴムは柔らかく、よく伸び、加工し易いために多く製品化されています。天然ゴム製品はゴム製手袋、カテーテル・絆創膏などの各種の医療用具になったり、炊事用手袋、ゴム風船、コンドームなどの日用品として日頃から接触する機会が非常に多い製品でもあります。製品としてのラテックス精製度、洗浄度により直接体内に触れるか否かなどでラテックスアレルギーの症状や患部が変わってきます。


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ラテックスアレルギーの症状

ラテックスアレルギーの症状はラテックスを含むゴム製品に接触後、数分~数十分で体に接触じんましんが現れたり、局所にかゆみを感じたりします。即時型アレルギー反応といわれるものです。

他にも軽度の症状では発疹、水疱などの皮膚系症状等ありますが、重篤な症状だと全身性じんましん、喘息発作、血圧低下や意識混濁等のアナフィラキシーショックを起こすこともあります。

欧米ではラテックスアレルギーよる死亡例も報告されています。尚、天然ゴム製品の製造工程で使用された化学薬品が製品に残り、それが接触性皮膚炎として現れる場合がありますが、これは遅発型アレルギーと呼ばれる慢性型の湿疹であり、ラテックスアレルギーではありません。


ラテックスアレルギー発症のメカニズム

ラテックスアレルギー発症のメカニズムについては次の説明のとおりです。ラテックスゴム製品を使用し触れることで、アレルゲンとなるラテックスたんぱく質が皮膚と接触し、水溶性のため汗によって溶け出し、人体内に吸収されます。もしゴム手袋にパウダーがまぶしてあれば、それが皮膚表層に傷などのダメージを与え、よりアレルゲンを進入させやすくします。
一方、ゴム手袋に塗布されているパウダーやゴムタイヤの磨耗紛がラテックス抗原を伴って飛散することで、こうした微粒子が口や鼻を介して吸入することで人間の体内に取り込まれます。

このようにラテックスアレルギーのアレルゲンが人体内に接触や吸入といったかたちで取り込まれ、
人体内に抗体(特異IgE 抗体)ができます。この抗体の作用で次に人体内にアレルゲンが取り込まれたときにアレルギー発症が起きます。


ラテックスアレルギーを発症する頻度が高い職業とは

ラテックスアレルギーを発症する頻度が高い職業というのがあります。天然ゴム製品に触れる機会の多い職業にラテックスアレルギー患者が多く見られます。
特に病院で働く医者や看護婦天然ゴム製の手袋を使用することが多い為、ラテックスアレルギー患者が多いです。また、繰り返し、手術などの医療処置を受けている患者にもラテックスアレルギー患者が多いようです。

また、天然ゴム製品の製造業従事者は天然ゴムに触れたり、口から粉塵を吸入することがあるため、やはり、発症率は高いようです。


ラテックスアレルギー発症と法律

ラテックスアレルギーは1979年に主婦にじんましんの症状が現れたという報告され、以降80年代後半から各国で発症の報告が増えてきました。欧米ではラテックスアレルギーよる死亡例も多く報告されています。
ラテックスアレルギー発症数が急速に上昇した理由は、米国CDCがエイズウイルスなどの院内感染の予防のため、医療従事者のゴム手袋の使用を推進したためにラテックスゴム製品であるゴム手袋の使用が増えたためです。しかし、その発症例の多さから1991年には米国食品医薬品局(FDC)によりラテックスアレルギーに対する注意喚起がなされ、その後ラテックス含有製品の表示に関する法律も制定されています。

日本でも医療従事者を含め、アナフィラキシーショックの例が多く報告されています。アメリカでの上記の様な対応を受け、厚生労働省でも注意喚起や関係文書などの改訂が行なわれていますが日本ではラテックスアレルギーに対する認知が低いというのが現状のようです。


ラテックスアレルギーの検査と治療

ラテックスアレルギーの疑いがあるときは、先ず医療機関において検査を受けましょう。血液検査や抗原溶液を用いる皮膚テストでラテックスアレルギーであるかどうかの診断をします。血液検査は安全性が高いですが、陽性陰性の診断を誤るケースも有り、完全とはいいきれません。皮膚テストはラテックス抗原溶液もしくは直接天然ゴム製品を使用してのラテックスアレルギー反応検査で、検査の信頼度は高いですが、ラテックスアレルギー反応により重篤な症状を引き起こすこともある為、慎重な検査が求められます。
またラテックス抗原溶液は日本国内では現在市販されていません。ラテックスアレルギーの治療は、現在のところパウダー付き手袋の使用をやめるなど天然ゴム製品の使用を避け、合成ゴムやビニール製、プラスチック製の製品を使用する等、まずアレルゲンの回避しかないといわれています。

天然ゴムの使用を完全に除去できればアレルギー発症が改善される可能性があります。また、ラテックスアレルギーと交差抗原性のあるフルーツを把握し、摂取量を減らしたり、加熱するなど調理法を工夫するという方法もあります。どうしても治療が必要な場合は、エピネフリンの投与という方法があります。またステロイド剤や抗アレルギー剤を普段から携帯しておくことも有効でしょう。


ラテックス・フルーツ症候群と生体防御たんぱく質

ラテックスアレルギーはバナナ、キウイ、アボガド、クリなどの特定のフルーツに含まれるたんぱく質と交差抗原性があり、バナナ、キウイ、アボガド、クリなどを食べるとじんましんやアナフィラキシーショックを起こすことがあります。これをラテックス・フルーツ症候群とよんでいます。
他にも、トマトやじゃがいも、パパイア、マンゴー、メロン、桃、パイナップルも交差抗原性が確認されており、シラカバ花粉、ブタクサ花粉、イネ科花粉などによる花粉症との交差抗原性もあるようです。これら植物同士の交差抗原性については1つの説として自分の身を守るために相手を攻撃するためのたんぱく質を含んでいる―というものが有ります。

例えば、ゴムの木は木の幹を傷つけられたときに傷口からラテックスを出します。この中に相手を攻撃する成分であるたんぱく質を出して自分の身を守っているというのです。このたんぱく質を生体防御たんぱく質と呼んでいます。他の果物や野菜も、自分の実(種子)を守るために生体防御たんぱく質を含んでいるというのです。そしてそれがアレルゲンとなり、人体によくない影響を及ぼしているという考え方です。



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